コラム

2012/06/26

早さより安全を第一に(茨城・HS)

早さより安全安心を第一に

▼アラブ首長国連邦にある世界一高い超高層ビル「ブルジュ・ハリファ」は、完成まで6年の月日を要した。オープンしたばかりの東京スカイツリーは、2008年7月着工、12年2月竣工だから、およそ3年半かかったことになる。巨大なものをつくろうとすればするほど、それにかかる時間が増えるのは当然のことだ。

▼ところが先日、中国のある建設会社が、220階建ての超高層ビルをわずか2カ月で完成させるという情報が流れた。この「2カ月」には基礎工事期間は含まれていないようだが、どうやってそんな短い時間で建てるのだろうか。完成は来年元日ということなので、どんなものが出来上がるのか楽しみにしたい。

▼中国の建設会社は、昨年末にも30階建てのホテルをたった15日、360時間で完成させている。動画サイトには早送りした建設作業の様子が投稿されていて、約6分でその一部始終を観ることができる。組立済みのモジュールを積み上げ、どんどんビルの形にしてしまうその風景は、まるでオモチャの塔を建てているようでもある。

▼肝心なビルの強度はM9の地震にも耐え、廃棄される建築資材は約1%に抑えられ、エネルギー効率も従来の5倍優れているという。これをどう思うかは人それぞれだが、個人的にはあまり宿泊したくないと感じてしまう。

▼こうした突貫工事は中国ならではだ。日本では同じことをする人はいないだろう。日本の企業にはこれまでどおり、安全・安心を第一に考えた品質の確かなものをつくり続けてもらいたい。それが利用者がもっとも望むものであり、誰もが喜ぶことなのだから。(茨城・HS)

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