コラム

2012/07/31

スポーツの面白さ(茨城・HS)

スポーツの面白さ

▼テニスで導入されているライン判定システムが、ついにサッカー界でも導入されることになった。過去、ビデオを見ればどう見てもゴールという?幻のゴール?が何度も生まれた。今回のサッカー欧州選手権でもその悲劇は生まれた。そしてついに、国際サッカー連盟は正式採用を決めた。

▼「ホークアイ」というこのハイテクシステムは、ゴール裏に設置した6台ものカメラでボールの位置を特定し、ゴールラインを割ったら1秒以内に審判へ信号を伝える―というもの。12月に日本で開催されるクラブワールドカップで使用され、問題がなければ2014年のW杯ブラジル大会でも使用される見込みだという。

▼テニスでは1セット3回までという制限があるが、1点が生死を分けるサッカーでは随時ということになるだろう。問題のシーンが大型スクリーンに再生されれば、攻撃側だったチームのサポーターは大いに盛り上がるに違いない。

▼このシステムは、あくまでも審判を補助するためのものだ。オフサイドや審判員の見ていないところでのファールには適用されず、ゴール判定だけに利用される。サッカーは人間のするスポーツなので、裁くのもやはり人間という姿勢は変わらないし、変えるべきでもない。

▼機械を導入する大きな理由の1つに「効率」がある。微妙な判定の時にいちいち時計を止めて詳細に検証していたら、時間がかかるし興も冷める。行き過ぎた機械化はスポーツの情熱を奪う。かと言って「審判の誤審もスポーツのうち」と納得するのも難しい。単に「娯楽だから」で片付けず、ここまでこだわるのがスポーツの面白さなのだ。(茨城・HS)

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