コラム

2012/07/03

空気と共につかむモノ(茨城・KM)

空気とともにつかむモノ

▼式典などの取材はこの時期非常に多い。おおむね主催者のあいさつ後はたいてい来賓者の祝辞が続く。10分を過ぎると、概ね耳に入っていない様子。そんな時、会場の状況を察し「みなさん飽きてきているようなので、手短に」と二言程度のお祝いで下がる人がいる。こういった場合、必ず会場には多少の笑いと安堵の表情が見られ、好意的に受け止められている。

▼思えば小学生のころ校庭で実施される全校集会が苦痛だった。特に夏などは暑くなり始める時間帯。先生のユーモアに欠ける話が続き、倒れる生徒がいたのもうなずける。

▼「ルールを守る安全職場 みんなで目指すゼロ災害」この言葉をスローガンに、7月1日から安全週間が始まった。準備期間の6月は各地で安全大会が開催された。安全大会などで労災防止を語る際、必ず注意されるのが熱中症対策だ。

▼昨年夏期(7月〜9月)は平均気温が高く、熱中症による救急搬送人数は全国で3万9488人と、09年の3倍を記録した。気温と熱中症搬送人数は相関しており、気温が上昇すると搬送人数も増加するそうだ。ちなみに熱中症による職場での死亡者数は過去3年で73人となっており、このうち建設業が全体の約4割(29人)を占めている。

▼厚労省では、熱中症予防対策として暑い日の作業計画の見直しや管理・監督者の頻繁な巡視、朝礼等における注意喚起などを訴えている。場の空気を読み、的確に対応できる人物は人の心をつかむ。この夏、現場の空気を読み、適切な作業見直しや水分・塩分摂取を促せる監督者は、きっと安全とともに作業員の心もつかんでいることだろう。(茨城・KM)

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