コラム

2012/07/10

水のある生活ない生活(東京・JI)

水のある生活ない生活

▼日曜日は水泳に励んでいる。最近はバタフライ泳法を特訓中だ。日頃の運動不足を休日に補おうと練習に精を出すため、翌日は全身が筋肉痛となり、肩は上がらず腰は伸ばせず足取りも重くなる。だから月曜日の朝はカラダが出勤を嫌がっており、自分は出社拒否症ではないかと思うこともしばしばある。

▼それでもバタフライは楽しい。両手で水を外側に追いやって身を前に押し出し、さらに腹部の水を後方に押すと同時に顔を上げて呼吸する。空中に出した腕を外側からぶんまわし、水中に指先を突き入れる。この間、足と腰も前進するために水を動かしていく。リズムが崩れれば溺れているようにしか見えず、誰が見ても格好悪い。日常生活ではあり得ない動きが求められ、実に刺激的である。水で遊ぶことの楽しさを満喫している。

▼一方で、水を利用せずに生活できる人が世の中にはいるようだ。それも、一部の市議会議員だけが持つ得意技らしい。埼玉県新座市の市議と東京都多摩市の市議が相次いで「市内での生活実態がない」と要件の欠格を指摘された。

▼女性と男性という違いはあるが、2人とも20代後半。そして2人とも水道や電気を利用した形跡がないにも関わらず「居住していた」と主張する。しかし証明はされず、それぞれ当選無効や辞職という結末を迎えた。

▼市議の職務を全うする気持ちがあったならば、基本的要件に合うよう準備は必要だっただろう。さて、そこまで考えて自戒。水泳の練習前は、筋肉痛を防ぐためにも入念に準備運動すべきではないか。それが足りないために、カラダが悲鳴を上げているに違いない。(本社・JI)

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