コラム

2012/07/11

大切なものを守るために(群馬・NA)

大切なものを守るため

▼梅雨が明ければ夏本番、レジャーシーズンが到来する。そしてこの季節は毎年、全国で水の事故が後を絶たない。警視庁の発表では昨年6〜8月に発生した事故件数は694件、死亡・行方不明者は347人。うち中学生以下の子どもは203人と半数以上を占める。

▼おぼれるのは、泳力の有無ではないという。多くは水に落ちた直後、息をしようと慌てて顔を出そうとした時。頭は重いからやみくもに動いても水面からなかなか出ない。泳げる人でも足が届かないと体勢が整えにくく、パニックになり結果おぼれてしまう。

▼長女の通うスイミングスクールでは例年「着衣水泳指導」を実施している。Tシャツを着て実際にプールに入り水難事故の危険を知り対処を学ぶ。同時に幼児の初級クラスは「ふし浮き立ち」と「ボビング」が最重要項目になっている。

▼「ふし浮き立ち」は顔をつけ浮いた体勢から膝を抱えて体を丸め、後ろに手で水をかき立つ動作。水中で水底や周囲の安全を確認し足元を確実にすると頭を楽に水面に出せる。「ボビング」は水中に深く潜って水底を両足で強く蹴り、ロケットの様に水面へ飛び出し息継ぎをする。とても妙な動きだがこれを繰り返せば身長以上の水深でも、泳げなくても岸へたどり着ける。

▼突然のアクシデントでも落ち着いて状況把握し足で底面を着実にとらえる。勢いよくジャンプするには深く潜ることも必要。息が出来ない苦しさから逃れようとむやみにあがけば最悪の結果を招きかねない。自分の力を過信せずかつ冷静に。多少の格好悪さには代えられない。大切なものを守るための大原則だろう。(群馬・NA)

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