コラム

2012/07/12

違いの解る人に(山梨・TT)

違いの解る人に

▼友人と食事に出かけた時のこと。出された料理に口を付ける前に醤油をかけた。彼女が言うには「私は味音痴かもしれない。料理を出されると箸よりも先に醤油や塩などの調味料を持ってしまう」と言った。味見をする前に見た目だけでアレンジしてしまうようだ。

▼一般的に味覚音痴とは、「手の込んだ料理や素材そのものの持つ味などを美味しいと感じることができず、人工的な調味料や刺激の強い香辛料等にしか味を感じられない人のことを言う」。そのほか共通点として「個々の食べ物について詳しく違いを知ろうとしない」―とある雑誌に書かれていた。

▼単純に甘い、辛い、酸っぱい、渋い、ぐらいまでしか意識しない人と、産地や加工の違いなどまでに興味を持って食事をする人とでは、味に対する感度に変化が出てくるのは当然だ。ファッションにも同様なことが言える。ブランド名しか意識しない人と色や柄、縫製にまで拘って買い物をする人とでは感性にも違いが出てくる。

▼コミュニケーションにも共通していることで、相手の言葉だけを聞き取る人と、相手の細かなニュアンスまでを推し量ろうとする人では、得られる情報の質や量は全く違うだろう。あるテレビで評論家が、違いを意識しないという人生は、ナンセンスだと言っていた。

▼違いがあるということを意識しない限り、違いはいつまでも分からない。食事やファッションに限ったことではない、意識するかしないかで物事に違いが出てくるなら、まずそれを意識して「意識出来る」よう心がけなければならない。なによりもナンセンスな人生にならないようにしたいものだ。(山梨・TT)

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