コラム

2012/07/19

企業経営者の深い考え(群馬・AN)

企業経営者の深い考え

▼日本経済団体連合会副会長の坂根正弘氏(現・コマツ取締役会長)の講演に足を運んだ。坂根氏はコマツの社長就任後、さまざまな改革を断行し業績をV字回復に導くなど、世界的にも注目される経営者の1人。当日は『ダントツ経営』をテーマに、社長時代に実践した経営構造改革を紹介したほか、今後の経済情勢などを披露した。

▼その講演は、あらゆる角度から斬新で、共通分野で活用でき、実に素晴らしかった。さらに内容のみならず聴講者を引き込む巧妙な話術にも感心させられた。コマツの業績をV字回復に導いた経営構造改革では、社員に直接経営状況を公開するなど、経営の見える化を徹底したという。

▼さらにビジネス総合誌『プレジデント』に総合商社の伊藤忠商事社長・岡藤正広氏のインタビューが掲載されていた。アルマーニの日本進出時に仕掛けた自らの経験などを踏まえ、ビジネスにおいては現場主義、信頼関係、発想力、検証の重要性を強調している。

▼自分が良いと思うことは仮説に過ぎず、その考えを顧客へ「どうですか」と聞き「違う。こっちの方が良い」と言われたら、それを持ってほかの顧客へ聞きに行く。こういったプロセスを踏まえることで、マーケットに沿った結論が導き出されるという。「仮説だけでは商いはできない。そのあとの検証が重要なんだ」という。

▼坂根氏は自社の企業価値として顧客や株主、社員などとの信頼関係を重要視している。「営業マンには自社の中を説得する力量が問われる。会社からも顧客からも『あいつに任せておけば大丈夫』と信頼されていれば、仕事はあとから付いてくる」と岡藤氏はいう。是非そう思われたいものである。(群馬・AN)

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