コラム

2012/07/21

『怒り新党』について考察(群馬・SS)

『怒り新党』について考察

▼テレビ朝日系列で放送されている『マツコ&有吉の怒り新党』が面白い。毒舌で鳴らすマツコ・デラックスさんと有吉弘行さんが、日常生活で抱く視聴者の怒りを批評するトークバラエティ番組だ。架空の政党『怒り新党』を結成し、マツコ幹事長と有吉政調会長が怒りを仕分けるという設定。総裁秘書という立場の夏目三久さんもいい味を出している。

▼投稿される怒りの対象は「親切に見返りを求める人」「何でもかんでもカロリー表示する世の中」などなど。イライラさせられても笑える範囲内で実に軽い種類のものだが「あー、あるある!」と多くの人が共感できる内容だ。開始当初は深夜25時台だったが23時台への昇格も果たしている。

▼『怒り心頭に発する』という言葉がある。『怒り心頭に達する』との誤用が多いことで有名だが、その意味するところは激しい怒り。『怒り新党』で扱う怒りとは明らかに種類が違う。そんな怒り心頭に発して新党「国民の生活が第一」を結成した小沢一郎氏を代表とした消費税増税に反対する一大勢力だ。

▼消費税増税というテーマはあまりにも重い。一消費者という立場から消費税増税を歓迎する人は少ないだろう。一方でこれまでの社会福祉制度を維持するには止むを得ないとする意見も多い。多くの人がこの2つの狭間で揺れている。だからこそ国論を二分するような重いテーマなのだ。

▼確かなことは、激しい怒りを抱き続けてもいい結果は出ないということだろうか。カッカしながら物事に取り組んで成功したという話は聞いたことがない。そんなことを自戒しながら、今週も『怒り新党』を観て笑おうと思う。(群馬・SS)

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