コラム

2012/07/24

人は絶滅危惧種?(茨城・KM)

人は絶滅危惧種?

▼南米エクアドル領ガラパゴス諸島のピンタ島で唯一生き残ったガラパゴスゾウガメの亜種「ロンサム・ジョージ」(孤独なジョージ)が先月24日、飼育先で死んでいるのが見つかった。世界的にも絶滅危惧種の象徴として知られており、その死は大々的に報じられた。

▼ロンサム・ジョージは1972年、ピンタ島で生存が確認された雄ガメ。サンタクルス島の研究所で保護飼育され、93年から近い亜種の雌とのペアリングが試みられたが、いずれも失敗。今回の死により、同種は絶滅したと言われている。推定年齢は100歳以上だが、同種の寿命は200歳と言われており、高齢ではなかったようだ。

▼高齢といえば「高齢者は体温が上がりやすいために熱中症になる人の割合が高い」との研究結果を名古屋工業大大学院の平田晃正准教授らのグループが発表した。コンピューターを使った実験で気温37・5度、湿度50%という環境で、25歳と65歳の体温などが1時間半の間にどう変化するか調査。結果、体温は25歳が0度1分の上昇にとどまったのに対し、65歳は0度4分も上昇したという。

▼また65歳の30分後の汗の量は25歳のほぼ半分と、汗をかきにくいことも判明。平田准教授は「高齢者は暑さを感じる感覚が衰え、知らないうちに体温が上がる。熱中症予防には、本人だけでなく周りの人が気を配ってほしい」とコメント。

▼ここ数年、熱中症が関連した孤独死の報道を多く見かける。熱中症に限らず、高齢者には周りの人間の気配りが必要だ。これ以上「ロンサム高齢者」を絶対に増やしてはいけない。われわれは絶滅危惧種ではないのだから。(茨城・KM)

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