コラム

2012/08/17

71才の挑戦に魅せられて(群馬・KS)

71歳の挑戦に魅せられて

▼ロンドンオリンピック2012年夏季大会が7月27日開幕し、17日間繰り広げられ8月12日に閉幕した。1896年に始まった近代オリンピック。古代ギリシャで開かれたオリンピア祭典競技がその前身。古くは宗教的な神域の祭典として知られており、古代オリンピックの終焉から約1500年後、オリンピックのふるさとギリシャアテネで第1回大会が開催された。

▼その後116年の歳月を経た今大会。26競技302種目を競った全出場選手の中に71歳の最年長選手がいた。日本の法華津寛選手である。馬場馬術の個人1次予選に愛馬にまたがり観客の拍手を浴び登場。

▼人馬一体で臨む馬術の世界。人と馬の気持ちがひとつになり技が磨かれる。馬も人もどちらか一方が先走ってはうまくいかない。馬術は人が合図を送る言わば指導者。馬は持つ技術を発揮する技術者となる。これは一般企業でも土木界でも共通だと言えるのではないだろうか。

▼置き換えれば上司の意図する世界を部下がつくる。土木の世界では施設をつくる意図を発注者が技術者へ託し作品が完成する。どちらかの目的がそれてしまえば求められる作品と異なるものが生まれてしまう。馬術の世界も馬と人の共通認識を持つことが要。明確な意図を雑念なく伝えれば馬も気持ちに答えてくれる。

▼成果を残すのは一心に報いようとする馬あってこそ。改めて相互の共通認識が良いものを生みだすものだと感じている。人馬一体とことばで言うのは簡単だが、いざ自身で挑戦するとかなり難しい。意思疎通とはどれほど難解なのか。馬術を通して一度体験してみるのもいいかもしれない(群馬・KS)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら