コラム

2012/09/01

育て若者のエネルギー(新潟・HT)

育て若者のエネルギー

▼弊社60周年記念の企画で、新潟総合学院の池田弘理事長のインタビューに同行した。池田理事長といえば、県内の各種専門学校やサッカーJ1のアルビレックス新潟をはじめ、プロスポーツチームをまとめるNSGグループのトップ。アルビレックスの会長といえば新潟で知らない者はいない著名人だ。

▼県内経済界の大物を前に「先行きが不透明な経済状況で、若者がすべきことは何か」と聞いた。池田理事長は、若者の行く末を「自分で何とかしろ」と答える。決して、突き放したわけではない「何かしてもらうのを期待するのではなく、自分で考えて行動しなければない」ということだ。

▼過日、発注者と業界団体との意見交換会で、業界団体側は、若手育成の観点から、総合評価方式における問題点を指摘した。現在の総合評価方式では、技術者の経験や実績が求められ、若手の技術者を配置しづらいという趣旨だ。

▼企業としては、若手の育成という責務を担う。一方で、点数を取れる技術者を揃えなければ、仕事が取れず、若手の育成どころの話ではない。発注者としても、この課題には理解を示すものの、品質確保のためには、優良な技術者を求めるのは当然の話。ひとつの仕事に、社会の将来までを背負わせることは難しい。

▼現状で、若手の育成という課題に打開策を見出すのは難しいだろう。しかし、それでは業界全体が衰退をたどるのみである。では、若手を育成するためにはどうするのか。結局は、若手が『自分で何とかしなければならない』のである。社会や業界が、育成まで手が回らないのであれば、自分で育つしか道はないではないか。(新潟・HT)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら