コラム

2012/09/12

なじみの床屋で思うこと(群馬・UT)

なじみの床屋で思うこと

▼床屋へ行くのが何となく苦手、という人は意外と多い。通い慣れたなじみの床屋でないと、散髪の途中でも居心地が悪く、逃げ出してしまいたくなることがある。店主との1対1という環境の中で、自分の髪型のイメージを伝え、その通りにしてもらうことにどうも羞恥心を感じてしまい、さらに店のおしゃれな雰囲気に恐縮してしまうのだ。

▼最近引越しをしたこともあり近所の新たな店を探し、試行的に通ってみた。しかし、どの店へ行っても散髪の最中はどうにも居心地が悪いのだ。その結果として出来上がった髪型にも、どうにもならない違和感を覚えてしまっていた。

▼そこで、近所の店での散髪をあきらめ、引越し先から車を2時間走らせ、かつてのなじみの店で散髪をしてもらった。以前と変わらない笑顔で声をかけられ、自分の希望を簡単に伝えて散髪をしてもらいながら、他のお店に行った時に感じた違和感について話をした。

▼そうすると店主は、「長くひいきにしてもらえば、お客様の好みや髪質などの特徴はおのずと頭に入ってくる。お客様の希望と実際に似合う髪型の釣り合う形を考えながら切るのが自分の仕事」との返答があった。なるほど、居心地の良さの一番の原因は、店主がお客のことを知り、考えているからと初めて知った。

▼考えてみると、公共工事でも同じことが言えそうだ。何より重要なのは、その地域を知り、地域に精通することで、受注業者にとっても、地域住民にとっても、よりよい結果が残せるのではないだろうか。不要な公共工事などと言われるのは、そうした部分が欠如しているからに違いない。(群馬・YT)

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