コラム

2012/10/16

対照的な監督の一年後(茨城・MK)

対照的な監督の1年後

▼約1年前の小欄で、イングランドプロフットボール界の33歳の若手監督と70歳になるベテラン監督を紹介した。2人はその後どうだったのだろうか。

▼33歳で強豪チェルシーを率いたビラスボアス氏。卓越した分析力とリーダーシップで新しい息吹をもたらしたという評価の反面、成績は思うにまかせず、シーズン途中で大富豪のオーナーから解任されてしまった。選手との関係が難しかったと地元メディアは伝えている。だが引き継いだ助監督がチームを再構築し、念願だったヨーロッパチャンピオンに輝く。

▼一方の老監督は、名門マンチェスター・ユナイテッドを率いて26シーズン目を戦ったファーガソン氏。このチームには今夏から日本代表の香川真司選手が加入した。昨シーズンのヨーロッパチャンピオンズリーグはグループステージで敗退。責任を問う声も出た。しかし今シーズンは的確な補強を行い、国内リーグでも上位につける。もっとも現在の首位はチェルシーだが。

▼対象的だった2人を見ていると、監督というのは、率いるチームの事情によって大きな違いが出るのだなと思った。当時のチェルシーはベテラン勢が中心で、初めて率いるチームで若手監督は難しかったたことは想像できる。逆にファーガソン氏は同じチームを率いて4半世紀以上。連綿と続くチーム事情を十分に理解できる立場にいる。

▼ビラスボアス氏は今シーズン、同じイングランドの他チームを率いている。若い監督には、将来がある。ベテラン監督には、培ってきた経験がある。それぞれの状況を活かすことができるのか、今期も2人に期待したい。(茨城・MK)

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