コラム

2012/10/20

美男美女が会社を滅ぼす(東京・JI)

美男美女が会社を滅ぼす

▼「ここが変だよ」と日本の会社や営業を批判する経済評論家の宋文洲氏の近著『宋文洲猛語録』(ダイヤモンド社)に、こんな言葉があった。「『努力すれば報われる』は、甘っちょろい」(2005年8月)。なるほど努力がすべて結果につながるわけではない。現実的と感じたが、反射的に一人の女性が思い浮かんだ。「国民的アイドル」と呼ばれるAKB48のリーダー格で、今年8月に総監督に指名された高橋みなみさんだ。

▼AKBの特徴は、毎年の人気投票『総選挙』で順位を付けるところだろう。昨年6月の選挙結果発表の舞台で、高橋さんは「努力は必ず報われる。私は人生をかけて証明します」と叫んでいた。

▼この発言に対しては「努力が報われないこともある」と、まさに宋氏の言う「甘っちょろい」に似た批判も出たようだ。批判を受け、彼女は今年6月の選挙の舞台で「努力しなけりゃ始まらない」と反論。これも一つの真理だろう。

▼宋氏の語録には、もう一つ興味深いものがあった。経営コンサルタントを務めてきた彼ならではの内容で、「景気に関係なく弱り始める会社の兆候」が示されている。その兆候とは、会議が多くなる、同じやり方が3カ月以上続く、取締役が営業しない、美男美女が増える、文書が多い、喧嘩をしない、社員が急に増える、横文字が増える、意味不明な部署が増える…。

▼9項目のいずれかに当てはまる会社はかなり多いのではないだろうか。彼の考えが必ずしも正解とは言い切れないが、参考にはなるだろう。確かに美男美女の存在は、仕事への意欲を高めると同時に、集中を妨げるかもしれない。(東京・JI)

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