コラム

2012/11/30

公共事業の意義再考を(新潟・KK)

公共事業の意義再考を

▼12月16日投開票の衆議院議員選挙は、争点が多様なうえ政党数も非常に多い。有権者が貴重な1票をどのように行使するのかが問われるが、「公共事業」の位置付けが一つの争点になることは間違いない。

▼約3年半前に民主党が打ち出した「コンクリートから人へ」というスローガンは今ではすっかり影を潜めた。東日本大震災の復興予算の使途に問題はあったにせよ、今後も全国的な防災・減災を図るための公共事業の推進は必要不可欠であり、そのほかにも必要な事業は速やかに進めるべきだろう。

▼先日、全国的に注目を集める新潟市内の温泉地を1年ぶりに訪れた。そこは車で行くしかないのだが、交通アクセスが悪く、誰もが行きやすい場所ではないにも関わらず、全国各地から人を呼び寄せる魅力があり、休日ともなれば多くの人で溢れている。驚いたのは今回、アクセス道路が工事中だったことだ。

▼10数年も前から苦労して訪問している者としては、不便だった砂利道を舗装してもらえることはありがたい。人気の観光地になったことからアクセス道路を整備する投資に踏み切ったのかと思ったが、実は市道だという。聞けば懸案だった舗装化を市が決定し、現在、鋭意施工中とのこと。

▼観光が果たす役割は大きく、集客が増えることで地元が潤い、雇用も生まれる。そして市は税収が上がる。自由民主党が「国土強靭化」に向けて集中的に巨額な投資を行う方針を打ち出したことで公共事業のばらまきとする声もある。再び公共事業に国民の関心が集まっている今は、住民に身近で真に必要な公共事業の存在意義をあらためて考える好期でもある。(新潟・KK)

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