コラム

2012/11/09

地域のホームドクター(茨城・HN)

地域のホームドクター

▼茨城県内では恒例となった建設フェスタがことしも先月盛大に行われた。国や県、県内の建設産業関連団体が一体となって建設業の魅力や公共事業の必要性を県民特に子供たちにPRするイベントで、今回で第19回目を数える。

▼建設機械や測量機器の操作、丸太切りの体験コーナーなど子どもが興味を引くブースが盛りだくさん。なかでも一番人気なのがミニ上棟式。あらかじめ組み上げた柱などの骨組みの上から、関係者が餅やお菓子などをたくさんまく。子どもたちの元気な声は会場を晴れやかにする。

▼そんな建設フェスタだが、ことしは東日本大震災での経験を踏まえ、震災関連の展示コーナーや、土のうを運ぶ作業、砂を一輪車で運ぶリレーなど、防災の観点の取り組みや地元建設業の意義を強調するブースが見られた。

▼これは本県出身の佐藤直良国交省事務次官が以前、建設専門紙の共同インタビューで語った「建設業は地域のホームドクター」の言葉が少なからず影響しているようだ。県土木部が、準備段階である実行委員会の会合でこの話題を取り上げ、各団体も「災害発生時には我々が地域の応急対応を担う」といった意識のもと、出し物に知恵を絞ったのでは。

▼そんな建設フェスタも、来年には20回目の節目。来年はさらに建設業の魅力を存分にPRし、公共事業の必要性を理解してもらえるイベントとなることを期待したい。さて私事で恐縮だが、娘も今回、ミニ上棟式に初参戦した。帰宅後、雨に濡れて、風邪を引かないかと心配する親を尻目に「また出たい」とやる気満々。こちらもドクターに診てもらうことが無いよう気遣うとしよう。(茨城・HN)

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