コラム

2012/11/16

ヘリテージマネージャー(茨城・KM)

ヘリテージマネージャー

▼日本建築士会連合会(三井所清典会長)は10月19日、第55回建築士会全国大会いばらき大会を茨城県水戸市で開催した。当日は全国から3000人が常陸の国に集結。建築士会創立60周年の節目に、これまでの歴史や文化を再確認した上で、未来への決意を発信した。

▼大会当日は、茨城県立県民文化センターや水戸芸術館を会場に、建築家の妹島和世氏や水戸徳川家第15代当主の?川斉正氏による記念講演会のほか、8つの交流セッションを実施。交流セッションの一つとして開催された「ヘリテージマネージャー活動の課題と展望」の第二部では、「全国ヘリテージマネージャーネットワーク協議会」が発足した。

▼ヘリテージマネジャーとは、歴史的建造物の保全・活用を推進する専門家のこと。2001年度に兵庫県が全国に先駆けて立ち上げ、現在では16の府県で育成されている。

▼ことし7月には、日本建築士会連合会の臨時理事会において、ヘリテージマネージャーの育成活用ガイドラインが承認され、専門家の育成と、その活用による地域文化再生への筋道が示された。この流れを受け、育成の全国展開とヘリテージ活動のさらなる発展を目指し、全国大会中に全国組織が設立された。

▼本年度からヘリテージマネージャーの育成を開始した茨城県建築士会。この育成研修を取材をした際、筆者の地元、常陸太田市の郷土資料館分館の価値を初めて知った。ヘリテージマネージャーには、歴史的文化遺産の発掘や保存のみならず、その価値を外へと積極的に発信して欲しい。価値を知らなければ、それは「ただの古い建物」にすぎないのだから。(茨城・KM)

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