コラム

2012/12/05

会員証は紙に限る(群馬・SN)

会員証は紙に限る

▼家電量販店で買い物をした際、購入金額に応じてポイントがつき次回以降の買い物の際に割り引いてくれるというおまけに釣られ、携帯電話の会員になった。その後、週末のたびに商品情報を知らせてくれる案内メールが届くようになった。

▼こうしたサービスは日用品や書籍など幅広い分野で行われている。数多くの品目の中からこれまでの購入履歴を基に客の好みに応じた物を選び、「いかがですか」と問いかけてくる。

▼一見効率的で現代の情報化社会において便利な仕組みといえるのだろうが、仕事以外でITに関わりたくない者にとっては余計なお世話、お節介といえなくもない。複数のデータを組み合わせて利用者ニーズを鮮明にし、その人ごとに最適な商品情報を提供するサービスもあるそうだ。

▼そうなると多角的な情報が集約され、個人の趣味や読書傾向などが?丸裸?にされる恐れがある。それに加えて外部への情報の漏えい問題などもあり、急速化する高度情報化社会の進展に対し、何か不気味な負の気配を感じてしまう。少々飛躍しすぎて大袈裟かも知れないが、便利さと危うさが同居する現代社会にどう向き合っていくかは、現代人に突き付けられた課題に感じる。

▼さて先週末のことだが、クリーニング店に夏物を出しに行った。すると店員さんから会員カードのスタンプがいっぱいになったので500円引きになりますよといわれ、新しい会員証がきた。携帯電話の会員ポイントと違い、紙の会員証は実にわかりやすく、仮にどこかに落としたとしても2次被害は考えられず、目に見えかつ形として存在することでの安心感があった。(群馬・SN)

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