コラム

2012/12/06

羽生選手の被災地への思い(埼玉・RK)

羽生選手の災地への思い

▼先月24日に宮城県仙台市で開催されたグランプリシリーズ第6戦NHK杯国際フィギュアスケート競技大会。そこで世界選手権を制した高橋大輔選手を破り、見事優勝を果たした羽生結弦選手。地元での大会ということもあって、大会に懸ける意気込みは相当なものだった。

▼地元仙台を拠点に日々練習に励んでいた羽生選手。しかし、四大陸選手権後の去年3月、東日本大震災が発生。地震発生時には、仙台市のアイスリンク仙台で競技の練習中であり、スケート靴を履いたまま避難し、4日間を避難所で過ごしたという。

▼羽生選手本人や家族、コーチ、リンクメイトは無事であったが、本拠地のアイスリンクが被害を受けて営業を停止したため拠点を神奈川へと移し、去年は復興支援目的のアイスショーに出演するなど各地を転々としていた。

▼世界の頂点を目指すべく決意を新たにし、練習拠点をカナダのトロントへと移した。そこではキム・ヨナを育てたブライアン・オーサーコーチの新プログラムに取り組み、基礎から鍛え上げ、今のスタイルを築き上げた。こうした挑戦を復興支援や地元への恩返しといった形で結び付け、日々努力を惜しまなかった。今大会の優勝はこうした思いの強さや決意が反映されたのではないだろうか。本人は「凄く自分の中で充実感がある。地元のみなさんの前で、いい演技をして、ワールドレコードを出せたことをうれしく思います」と喜びを噛み締める。

▼2年後のソチ五輪では、日本人史上最年少の金メダルを期待されているが、自分への挑戦とともに今大会で魅せたような人々に希望を与える演技を期待したい。(埼玉・RK)

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