コラム

2012/12/21

「ザリガニは駆除できるか」(東京・HM)

ザリガニは駆除できるか?

▼外来種の駆除と言うとすぐに思いつくのが、ブラックバスやブルーギルといった外来魚。その一方であまり話に出てこない気がするのがアメリカザリガニ。確言を通せば、筆者はこのアメリカザリガニこそ駆除すべきとだ考える。

▼子どもの頃から慣れ親しんだ生き物で、繁殖力も強く、数は膨大。すべてを駆除することの困難さは容易に想像できる。NPOなどでザリガニの駆除に取り組んでいるところもあるようだが、少しずつ駆除してもすぐに増えてしまい数の減少にはならない。これは規模の大きさから考えても、やはり国が取り組むべき課題だ。

▼もし仮にアメリカザリガニを駆除することができれば、日本の川魚は飛躍的に増える。そうすれば川魚をエサとしている水鳥のエサも豊富になるということだ。ザリガニをなくす、魚が増える、魚をエサとしている種も増える、というサイクルが出来上がる。正常な食物連鎖に戻る。その効果は計り知れない。

▼一方で、外来種だから駆除するのはおかしいという考え方もあるようだ。人間が持ち込んでおいて、邪魔になったから始末するというのは自分勝手で、生き物の命を大切にしていないのではという。一理あるとは思うが、筆者はやはり駆除を推す。

▼自分たちの過去の間違いのために罪のない命を奪うということは重く受け止めなければならないが、だから何もしないというのは問題解決にならない。重要なのはその反省をいかに生かすのか。スーパーなどで海外の昆虫が平気で売られている現状を見ると、暗い気持ちになるが、こういう中途半端な現状から脱却するためにも明快な意思表示が必要だ。(東京・HM)

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