コラム

2012/12/22

地方に不公平」(新潟・HT)

道路整備格差地方に不公平

▼南国生まれの上司が、毎朝「寒い」と首をすくめて出社する。まだまだ、冬本番を前にした時期であり、これからもっと寒くなる。降雪を迎えた日には、首をすくめ過ぎて、首が無くなってしまうのではないかと心配だ。雪国新潟生まれの人間にとっては、まだ十分に我慢できる時期であり、『寒い』というよりは『寒くなってきた』と表現するのが正しいだろう。この話をすると多くの人は「やっぱり雪国生まれは違うな」と返答がくる。

▼確かに、全国的に見れば、雪国というのは少数派であり、おそらく今の新潟の気温は『寒い』という表現するのが、正しいのかもしれない。ただし、我々は、ペンギンやシロクマではない。雪国の人間も、寒さに対して『我慢が効く』というだけの話で、寒い時は寒いのである。

▼先日開かれた、県の公共事業再評価委員会で、県道の改良事業の事業継続が保留とされた。保留とされた理由は、過疎化が進んだことにより、当初の計画時よりも道路交通量が減少し、事業継続とするだけの十分な費用対効果が得られないためだ。

▼公共事業費が減少した昨今では、投資に対する効果が大きい方、つまり多数派の利益が得られる事業が優先されるのは致し方ない。当然その際、地方部は少数派となる。ただ、少数派であっても、道路に利便性を求めるのは変わらない。交通量が少ないというだけで、簡単に無駄と判断されるのは間違いだ。

▼問題は、大都市圏の国道も地方の道路も同じ基準を使用していることにある。『一票の格差』の話ではないが、多少の不公平を考慮しないことのほうが、むしろ不公平である。(新潟・HT)

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