コラム

2012/12/28

高校生は見ている(新潟・KK)

高校生は見ている

▼自民・公明両党連立への政権交代により、公約に掲げた「国土強靭化」が来年から本格的に進む見通しとなった。また中央自動車道での事故を受けて既存インフラ管理の重要性があらためて浮き彫りになったことなどから、補正を含め来年度予算では、防災・減災対策を中心とした公共事業予算の大幅な増加が見込まれそうだ。

▼国民はもとより、建設業界にとって公共事業費増加が大歓迎であることは間違いない。しかし中長期的な観点で見た場合、担い手不足という大きな問題が控えている。国土交通省でもイメージアップ促進策を進めているが、「公共事業は無駄」とする誤ったイメージを完全に払拭し、待遇も改善されなければ若者の入職者確保は今後も厳しいだろう。

▼日本道路建設業協会北陸支部では「北陸道路舗装会議」を3年毎に開催している。次代を担う若者への技術伝承等につなげるため、新潟市で6月に開いた会議に初めて地元の工業高校土木課の2・3年生約80人を招待。道路舗装の仕事を通した安全・安心な道づくりの魅力を説明した。

▼これには後日談があり、同高校が生徒にアンケートを取ったところクラスの半分以上が道路舗装技術に興味を持ったと回答。今まで当たり前に使っていた道路について整備の仕組みを知り、舗装の技術の高さを学んだことで興味がわいたという。

▼誤ったイメージを払拭するには正しい情報を伝えていくしかない。これまで気にも留めなかった道路や橋梁といった社会資本の重要性は身近にあるからこそ見過ごされてきたともいえる。地道でも正確な広報を続けることが、正しい理解への近道かもしれない。(新潟・KK)

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