コラム

2013/01/08

新たな1年に期待を(東京・JI)

新たな一年に期待を


▼自分の尾を噛んで円状になっているヘビの図を『ウロボロス』という。始まりも終わりもない、無

限を表す。まさに時は無限に続いているが、その中で一つの区切りを付けた新たな一年、干支ではヘ

ビの年がスタートした。建設業界はもとより日本経済全体が明るさを取り戻す年になってほしい。


▼政治は一つの区切りが付いた。「コンクリートから人へ」を掲げた民主党政権は自ら崩壊。政権を

奪還した自民党は、国土強靭化に向けて災害対策を徹底するという。公共事業の増加も見込まれてお

り、二度目となる安倍晋三首相の手腕に期待したいところだ。公約が竜頭蛇尾、つまりは尻すぼみに

ならぬことを願うばかりである。


▼読売新聞特別編集委員の橋本五郎氏は、安倍首相に対して、中曾根康弘元首相に話を聞くようこれ

まで何度も進言したと近著『総理の器量』(中央公論新書)で書いている。橋本氏は「範は中曾根に

あり」という考えで、総理大臣のあるべき姿について「過去に学びながら常に自問自答しろ」「国の

運命が自分の双肩にかかっているという使命感がなければならない」「大災害が起きた時に自分次第

で犠牲者を最小限に食い止めることも可能という気概を持て」と記す。


▼また、かつての安倍政権については、首相をサポートすべき人間が「俺が俺が」と出てくるばかり

で「リーダーを支える体制の貧困さは目を覆う」と批判の目で回顧する。このほど新たに作られた体

制は貧困か否か。我々は期待をしつつ、今後の展開を注意深く見ていく必要があるだろう。


▼新年最初のコラムとなりました。本年も小覧をよろしくお願いいたします。(東京・JI)


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