コラム

2013/01/18

取材記者の基本とは(埼玉・YW)

取材記者の基本とは


▼マスコミが読者や視聴者に対し、5W1Hの基本を取材することは最低限の報道義務である。思い

込みや憶測はご法度だ。逆に真相を掘り下げ多角的に検証し、読者に新たな事実を伝えることこそ、

求められるのではないか。


▼昨年の日本新聞協会賞に輝いた朝日新聞の長期連載「プロメテウスの罠」の調査報道に敬服した。

東日本大震災後の地域住民、農業、埼玉県に役場ごと移転した福島県の双葉町長の苦悩。埼玉移住を

橋渡しした謎の「タテノ」なる人物など、一般に知らないことを克明かつ多角的に長期連載した傑作

だ。取材に携わるものの1人として見習いたい。


▼そもそも東日本大震災、福島第一原発事故取材における報道は、取材自体が困難でかつ専門的知識

が必要であるが、明らかに発表者の鵜呑みであることに誰もが気づいているのではあるまいか。例え

ば、なぜ国会で、原発反対で著名な京都大学教授のコメントをどの社も取り上げなかったのか。


▼日本で取材歴12年ある、ニューヨーク・タイムス東京支局長が、東日本大震災を綴った『「本当の

こと」を伝えない日本の新聞』(双葉新書)によれば、やはり徹底した現場取材と、他社と違うニ

ュース現場を重点に取材していることを、述べてている。建設専門紙として読者を拡大するには、こ

れまでの基礎取材に加えて、徹底した現場主義による、原因や背景理由を取材することの大切さを、

朝日新聞記事は教えている。


▼今年、建設業界の問題は何か、海外展開、保険未加入など切り口は多い。点ではなく線として読者

を増やす取材が生きる道ではないか、肝に銘じ行動していきたい。(埼玉・YW)


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