コラム

2013/01/26

「エサ」取りに行く視点(東京・HM)

「エサ」取りに行く視点


▼「口を開けていれば誰かがエサをくれる」。受注産業である建設業を揶揄する表現だ。自ら商品を

つくって売るという事が少ない建設業であるから、こう言われてしまう訳だが、もっと自から積極的

にビジネスを生み出す方策を模索しなければ、生き残れない現実だ。


▼先日我が家で、ペットを飼うために扉を1枚つけるという工事を委託した。小さい工事ではあるが、

我が家の台所事情では大きな出費である。少しでも安価でいいものをつくってほしいと願うのは、共

通する感情だろう。


▼人づてでお願いした工務店の社長は、いい人なのだが、少し物足りない。まず向こうからの連絡が

極端に少ない。「この部分の収まりはどうするんですか」と聞くと、「少し考えて来週はじめにも連

絡します」と言ったきり連絡がこない。問い合わせてみると、「あ、それは解決しました」と軽く言

われる。こちらから電話をしないとなかなか進捗が見えてこない。


▼先方からすれば、きちんとしたものを作る自信があり、「まあ黙ってみていろ」というところかも

しれないが、もう少しこちらの気持ちも考えてほしい。また、こうした小さい工事にもビジネスチャ

ンスがあることにも気が付いてほしい。おそらく多くの家で、工務店などにちょっと見てほしいとこ

ろ、直してほしいところ、というのはかなりあるだろう。対応や工事の成果が良ければ次も何かお願

いするかもしれない。


▼出来上がった扉は非常にいい出来で、それには満足だった。しかし技術があるだけではビジネスチ

ャンスは生まれない。サービス業という視点をもう少し持つべきではないだろうか。(東京・HM)


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