コラム

2013/02/02

いくつもの目線でとらえる(東京・UT)

いくつもの目線でとらえる


▼旧聞に属する話で恐縮だが、関東地方でも大雪が降り、積雪のあった翌日の1月16日、さいたま新

都心合同庁舎の中で、ある職員から「そこの窓から下の空き地を見ると面白いよ」と声を掛けられた。

近寄って見ると、雪で真っ白となった「8―1A街区」と呼ばれる広い空き地に、巨大なドラえもん

の顔が描かれていたのだ。


▼出来栄えは、かなり上手。一体誰が。この「地上絵」は、1階やペデストリアンデッキからでは把

握しにくい。あくまでも高層階から見下ろすと、映えるのだ。描いた人(達?)の発想のユニークさ

と実行力に、思わずうれしくなった。


▼国土強靭化の機運が盛り上がる中、多くの読者にとって、公共事業発注官庁の各種情報は、大いに

知りたいところではないだろうか。民間企業の方々がキャッチしたい、あるいは直接聞きにくい情報

を我々は、文章にして紙面に掲載する。新聞社の基本だ。


▼ただ、情報を入手するためとはいえ、発注者に近づきすぎてもいけないのだろう。目線が同化して

はまずい。民間企業の受け止め方、受注者の言い分が、極めて大事。沢山の人と向き合うことで、一

つの事象に対して、上下左右、あらゆる角度から考えることができるように心がけたい。


▼突如として出現したドラえもんの「地上絵」をきっかけにそんな考えを整理していたところ、関東

整備局の補正予算執行方針を紹介した記事のある部分について、「Cランクに手厚く、Bランクに不

利ではないか」との指摘を受けた。結局は誤解だったのだが、早速、自分の未熟さ、本質の難しさに

ついて考えされられた。(東京・UT)


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