コラム

2013/02/05

福を呼ぶ豆まき(茨城・NI)

福を呼ぶ豆まき


▼2月3日は節分。「福は内、鬼は外」。と父親が鬼になって、豆まきをしたご家庭も多いのではな

いだろうか。


▼そもそも節分とは、日本固有の行事で、季節の分かれ目を意味する。立春、立夏、立秋、立冬のそ

れぞれの前日を指していた。節分が特に立春の前日をさすようになった由来は、冬から春になる時期

を1年の境と考えられていたから。邪気を追い払う1年の厄を払うために、古くから行事が執り行わ

れている。立春に豆をまく「豆まき」の行事は、平安時代の宮中の儀式が始まりであると言われる。


▼「豆まき」となったのは、五穀の中でも大豆の収穫量が多く、鬼を追い払うときにぶつかる音や粒

の大きさがちょうど良かったから。また炒り豆を使用するのは、節分は旧年の厄災を負って払いすて

られるものなので、まいた豆から芽が出ては縁起が良くないという理由であったからと言う。


▼時代の移り変わりによって、最近ではまいた豆を拾って食べられるようにと家庭や保育所、幼稚園、

学校では殻付きのピーナッツをまくところが多い。コンビニやスーパーには、豆より、恵方を向いて、

太巻き寿司を無言のまま丸かぶりすることの方が主流となりつつある。


▼昔の節分を伝統行事型とすると、現在は先行行事型と言えよう。たまには、その行事の意味を掘り

下げて、調べてみるのも楽しいものだ。ピーナッツや巻き寿司を否定するわけではないが、なんとな

く鬼を追い払うには力不足に感じる。大震災から間もなく2年になる。復興を妨げるものや不景気と

いう鬼を力強く追い払うために、手に豆を握り締め力いっぱい「福は内、鬼は外」。(茨城・NI)


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