コラム

2013/02/06

チョコを知らない子ども(群馬・SN)

チョコを知らない子ども


▼ことしもバレンタインデーが近づき、コンビニやスーパーなどでは、店内に特別コーナーを設置し

本格的商戦がはじまっている。チョコレートメーカーの調査によると、近年は家族やお世話になった

人にチョコを贈る人が多いという。東日本大震災を受け「絆」への共感が広がったことも要因だろう

か。


▼10代、20代の独身女性にチョコレートメーカーが行ったアンケートによると、女性のバレンタイン

デーへの位置づけも変わりつつあるようだ。彼氏や意中の人が贈り先の対象だったが、、チョコをあ

げる相手の1位は女友達だという。女性に贈るとはどういうことなのか、筆者には理解できないのだ

が。


▼しかしチョコレートほど世界中で愛されているお菓子はほかにない。原料のカカオは、コートジボ

ワールやガーナなど西アフリカの国々にとっては大変貴重な輸出品だ。カカオは収穫や加工にかなり

の人手を要するため、子どもを学校に通わせずに働かせる生産者も多いらしい。


▼それどころか人身売買で強制的に連れて来られ、過酷な労働を強いられる子どもが後を絶たないと

聞くと、バレンタインデーなどとはしゃいでいられない気持ちになる。背景にあるのは貧困。児童労

働をなくすため生産者に適切な対価を支払うフェアトレード(公正な取引)の認証チョコも増えてい

るというが、残念ながらほとんど知られていない。


▼カカオ農園で働く子どもたちはチョコを見たことさえないそうだ。いっそ、ここでバレンタイン

デーをいったんリセットし、こうした子供たちを救うような方向のイベントにもっていけないだろう

か。一考に値するのでは。(群馬・SN)


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