コラム

2013/02/19

納得を生んだ理論と情熱(茨城・MK)

納得を生んだ理論と情熱


▼高卒ルーキーでメジャーリーグ挑戦を表明していた花巻東高校の大谷翔平選手が、ドラフト1位指

名の北海道日本ハムに入団し話題を呼んだ。注目選手の「進路変更」の背景には何があったのか。


▼大谷選手には夢が三つあるという。?メジャーリーグベースボール(MLB)トップの実力をつけ

たい?トップで長く活躍したい?パイオニアになりたい。これらの実現のため、高校を卒業したらア

メリカへ渡り力を磨きたいと思い描いていた。


▼しかし日本ハムは1位指名。入団交渉に入り、ある資料を提示する。それには大谷選手の夢を実現

するための「道しるべ」、夢からの逆算が書いてあったという。トップの実力をつけるにはメジャー

の下のマイナーと日本ではどうなのかなどだ。さらに日本ハムの栗山英樹監督は説いた。私は監督に

なる前、アメリカを長く取材し、良いところ、良くないところを知っている。一方、日本は若い時に

しっかりと技術を教えるシステムを持っている―と。


▼決め手になったのは「パイオニア」の部分だ。高校から直接アメリカへ挑むというパイオニアの代

わりに、ピッチャーとバッターの「二刀流」に挑戦してみてはと提案。これには大谷選手の方が驚い

たという。しかし「どっちもやり切ってから決めればいいと言われたので入団しようと思いました」


▼夢の実現という逆算からの提案。二刀流をやるという監督の約束。説得する側の整然とした理論と

情熱が心を動かした。大谷選手は語っている。「こうだと決めつけずに、全部聞いて、資料も読んで

決めた方が納得できる」。大谷選手の今後が楽しみになってきた。(茨城・MK)


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