コラム

2013/03/05

ご神木への鬼畜の仕業(茨城・KS)

ご神木への鬼畜の所業


▼少しずつ日が暮れる時刻も遅くなり、徐々に春の訪れを感じるこの頃。立春の2月4日には、九

州・奄美地方で早くも「春一番」が吹いた。春のそよ風は大自然の息吹と共に、いつの頃からか?厄

介者?となってしまった花粉も運んでくる。自慢の?鼻センサー?もいち早く感知しはじめた。しか

しそんな敏感なセンサーを持つ方々に朗報が。


▼富山県は花粉のないスギ「立山 森の輝き」の大量生産に成功し、これから全国的に普及させてい

くという。何10年先になるか分からないが、花粉症は過去の病となるかもしれない。このスギは19

92年に県職員が富山市の神社内で偶然発見し、その種子から誕生した。これぞ神の恩恵。だが、そ

の?ご神木?にまつわる悲報が。


▼昨年7月、愛媛県東温市の総河内大明神社で樹齢500年を超えるヒノキ2本が枯れた。その後ほ

どなくして、ある木材業者がその2本の買い取りを持ちかけてきたという。しかし切る直前に木の根

元にドリルで開けたような穴が見つかり、中を調べると除草剤の成分が検出された。


▼ほかにも愛知県、高知県、徳島県、和歌山県の神社で似たような悪事が相次いでいる。業界関係者

によると、通常木材は樹齢50年程度で市場に流通するため、100年以上の大木は希少で500万円

は下らないという。それにしても、神が宿る樹木の殺生はもはや人のすることとは思えない。


▼奇しくもことしは、伊勢神宮の改築「式年遷宮」がある。建築用材には日本各地の樹齢200年以

上のヒノキが使われる。それを見越しての仕業なのだろうか。無花粉スギの恩を仇で返しては絶対に

いけない。(茨城・KS)


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