コラム

2013/03/12

解禁されるネット選挙(茨城・HS)

解禁されるネット選挙


▼ようやくと言うべきか今さらと言うべきか、インターネットを使った選挙運動が解禁されることに

なりそうだ。政権与党が今の国会に公職選挙法の改正案を提出する動きを見せており、どうやら夏の

参議院選挙からの解禁になりそうだ。


▼公職選挙法では選挙運動期間中、通常のはがきとビラ以外の文書図画は頒布できないとしているた

め、立候補予定者の名前を出して投票を呼びかけることは法律違反になる。ネットは基本的にすべて

文書図画扱いとされているためだ。しかし、弁護士の資格を持つ国会議員でさえ、ツイッターでそれ

をしてしまうのだから、これはもう法が時代に追いついていないと言わざるを得ない。


▼ネット人口が8割近くまで達した日本で、どうしてネットによる選挙運動を制限するのか、誰もが

疑問に感じていたことだろう。もちろん、公職選挙法が制定された当時にネットの時代を予見しろと

いうのは酷な話。


▼だが、21世紀になって10年以上が経過した今では、もう少し早く真剣に議論してもよかったのでは

と思ってしまう。アメリカでは1990年代にはすでに始まっていたという。立法府が法改正を面倒

くさがったのか、ネットの脅威を感じてあえて触れなかったのか。いずれにせよ、ネット選挙の解禁

は、選挙活動のあり方を大きく変えるに違いない。そう考えると、街頭演説や選挙カーがなくなるの

は少し寂しい気もする。


▼注意したいのは、ネット上ではいくらでも人を美化できる点だ。むしろ有権者は今までよりもいっ

そう人を見抜く能力が求められる。清き一票がネット詐欺に騙されないよう皆で気を付けたいもので

ある。(茨城・HS)


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