コラム

2013/03/13

「やさしさ」テーマの病院(群馬・MY)

「やさしさ」テーマの病院


▼ある土曜日の午後7時頃だろうか、急に腹部に違和感を覚えた。「どうしたのか?」と思っている

うちにどんどん痛みがひどくなり、あわててスマートフォンで救急外来を持つ市内の病院を探した。

自宅に近い大学病院には断られ、2件目の前橋赤十字病院で「すぐに来るように」と言われた。


▼痛みに堪えながらタクシーで向かう。着くと即座にさまざまな検査が始まり、ベテラン医も駆けつ

けた11時には手術を行うことに。脊髄麻酔をかけられようやく痛みから解放されると、医師から「す

ぐに駆けつけて良かった。我慢して一晩経過するとあぶなかった」と告げられた。手術を受け、翌日

夕方には無事退院となった。


▼深夜にも駆けつけて診察や執刀した医師たち、世話をしてくれた看護師たちには感謝している。一

方、診察や入院中に気になったことは施設の現状。痛む腹を押さえて穴が空くほど見つめ続けた天井

は老朽化が顕著であり、救急外来の診察室は狭くストレッチャーや車イスでの移動は窮屈だった。駐

車場も広いとは言えず不便さを感じた。


▼前橋赤十字病院は現在、朝倉町への移転を計画。5〜6年後の開院に向け、用地の取得や新施設建

設に関わる委託、工事などを進めていく。若々しく、非常にスピーディーに対応してくれたあの医師

や看護師たちが存分に働ける施設の一刻も早い整備を願っている。


▼院長は建て替えのテーマは「やさしさ」と述べている。優しく細やかな配慮を目指す考えだ。大正

2年から100年にわたって前橋地域の医療を支えてきた総合病院。退院するとき、ちょうど屋上か

らドクターヘリが飛び立って行った。(群馬・MY)


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