コラム

2013/03/16

求められる「備災」(新潟・KK)

求められる「備災」


▼今冬は各地で雪による被害が相次いでいる。「今世紀最強クラスの寒気」が観測された北日本では

記録的な積雪量を観測。普段雪がほとんど降らない東京を含めた首都圏でも雪となった。雪国・新潟

県や東北の日本海側でも平年の2倍近い積雪を観測している。


▼大雪になると心配されるのが雪崩の発生だ。1986年に新潟県の旧能生町(現糸魚川市)棚口地

区で発生した雪崩は集落を呑み込み、死者13人、全壊家屋8戸という大災害を引き起こした。また今

から7年前の「平成18年豪雪」では、大きな被害こそ発生しなかったが、新潟・長野県境の国道40

5号線で雪崩の危険性があるため通行止めとなり、集落が孤立する事態に陥った。


▼雪崩は非常に危険な災害と言われる。雪崩には積もった雪の上の層が下の層を残したまますべり落

ちる「表層雪崩」と、地面に積もった雪が全部すべり落ちる「全層雪崩」がある。前述の棚口地区で

発生した「表層雪崩」は約1・8?の距離を時速200?近いスピードで流れ落ちたという。


▼雪崩はスピードが速いため、発生した場合には逃げることはできない。急な積雪や急激な気温の上

昇時には特に注意が必要であり、急斜面に近付かないことが最大の対策だ。


▼当然、危険箇所には「雪崩予防柵」を設置する対策が行われているが、柵の高さを超える積雪にな

ると「巻だれ」の危険性も生じる。東日本大震災を受けて危機管理の意識は高まったが、今後本格化

する防災・減災に向けたハード整備、ソフト対策を無駄にしないために、自らがあらゆる災害の危険

性を学び、備える「備災」の姿勢が必要となるだろう。(新潟・KK)


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