2013/03/20
安全・安心へ積極的投資(山梨・OS)
安全・安心へ積極的な投資
▼13兆円を超える国の補正予算が決まった。リーマンショック後の09年度第1次補正予算に次ぐ過去
2番目の規模だ。日本の公共投資は1996年をピークに減り続け、今やその半分にも満たない。そ
れだけに建設業界も長期低迷からの脱却と、期待も大きい。
▼取材を通し、ある業者からは、借金ばかりで少しでも資金繰りが止まったら倒産―という話しを聞
いた。落ち込む業界の状況を反映して、建設業協会の支部等に顔を出しても、今ひとつ浮かない顔に
見える。思えば、筆者がこの仕事をはじめてから、ずっとそうだった気がする。
▼自民党政権になり、国の公共事業に対する見方は大きく変わった。笹子トンネルの事故のタイミン
グも重なり、改めて公共事業の必要性が注目されるようになったのだ。「コンクリートから人へ」の
スローガンの基、前政権は初年度から大幅に公共事業費を削減した。山梨県の県土整備部長も「やり
くりが厳しかった」と語ったように、インフラ整備の計画は大幅に見直しを迫られた。
▼それが我々の生活に何をもたらしたのか。日本の将来を明るくする要素になったのだろうか。筆者
には「もう仕事がないから廃業する」といった暗い顔をみる機会が増えたぐらいにしか感じられなか
ったのだが。
▼トンネルや橋梁など大型構造物は、安全を管理するために莫大なお金がかかる。加えて東京など中
央圏と違い、山梨県内では道路整備自体が遅れている。「人からコンクリートへ」などと極端なこと
はいわないが、我々国民の安全・安心のための基盤となる公共投資が、しばらく続いてほしいと切に
願っている。(山梨・OS)