コラム

2013/03/29

心の中に「ゾーン30」を(新潟・SS)

心の中に「ゾーン30」を


▼新潟県内で三条市が「ゾーン30」の導入を公表した。導入エリアは高齢化が進む中心市街地で近く

に小学校もある。ゾーン30とは一定のエリア内で、すべての移動体の速度を30kmに制限すること。ド

イツ等ではテンポ30などと呼び90年頃から導入し普及されている。


▼ゾーン30導入の最大の目的は、車のスピードを抑制することで、自動車よりも歩行者や自転車の安

全確保が優先される歩行空間を作り出すことにある。バスや乗用車、バイクや自転車、路面電車もす

べて時速30km以下に制限される。30kmといえば自転車では問題は無いが、車やバイクでは遅く感じ、

タクシーやバスでは商売にならないかもしれない。


▼速度規制エリアを設けることで、移動手段が再考される。まず歩行者や自転車が増え、自動車は減

る。結果、渋滞が減り、全車両の平均スピードが上がり、渋滞等の緩和も考えられる。マイカーの利

用が減れば、車の平均スピードも上がり、スムーズな移動が期待できる。


▼日本より25年も早く速度のエリア分けを導入している欧州では、中心市街地の速度規制とは反対に

街と街の間は高速移動が主流。電車や高速道路、高速バスなどは、日本より速いスピードで走ること

ができる。都市内の移動は遅いスピード。都市間の移動は速いスピードと速度制限のエリア分けがで

きている。


▼安全性と交通のスムーズさを両立させる為、日本でも導入が進む事を期待するが、住民の合意や財

政事情など普及するまでは時間がかかりそう。導入までは自分の心の中で「ゾーン30」を設定し、生

活道路を走行する際はスピードダウンを心がけ安全運転に努めたい。(新潟・SS)


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