コラム

2013/04/04

ダイヤ改正で競争力が拡大(埼玉・YW)

ダイヤ改正で競争力が拡大


▼JRグループや大手私鉄各社が先月、全国一斉に行った、春のダイヤ改正は、近年にない利便性を

提供してくれた。東武東上線や西武池袋線では、埼玉県北部や北西部から横浜・中華街まで乗り換え

なしで行ける。


▼東急東横線・渋谷駅は副都心線への直結により、地上駅から地下駅に変更。都営地下鉄と東京メト

ロの九段下駅では壁を撤去し、同じホームで対面乗換ができるようになった。さらに、浦和駅新ホー

ムの完成に伴い、JR東日本・湘南新宿ラインなどは全列車が浦和駅に停車する。鉄道の利便性が増

し、利用者にとってはこの上なくあり難い。沿線商店街も活況が期待される。


▼しかし、浮かれてばかりはいられない。相互乗入れ運転は、片方だけに人が流れ、一方には全く流

れないということも想定される。現に、埼玉県西部地方では、横浜中華街に日帰りで食事とショッピ

ングに出かけると、地元商店街は閑散となり、逆に神奈川県から埼玉県には人の往来が減少すると危

惧される。浦和の商店街も都内への買物流出を危惧。


▼今回のダイヤ改正は、都市間競争、地域のブランド対決、新たな競争などを惹起させ、魅力のない

地域が廃れるという負の図式も意味する。便利になったからといって、何もせずにいたら、当然の成

り行きだが地域の活性化につながらない。


▼鉄道各社の相互乗り入れは、新たな顧客の奪い合い、ブランド競争力、都市間対決を秘めている。

活性化させるには戦略を前面に出し、沿線商店街の魅力作りの知恵比べが問われる。顧客誘致も建設

業の総合評価提案書も工夫を示すということでは同じではなかろうか。(埼玉・YW)


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