2013/04/05
大相撲水戸巡業に期待(茨城・KS)
大相撲・水戸巡業に期待
▼4月14日、力士が元気を分けにやってくる。「大相撲水戸場所」が開催される。ことしの春巡業の
一環で、三重県伊勢神宮を皮切りに全国7カ所をまわる。水戸はその千秋楽で12年ぶりの巡業。震災
からの復興祈願として、有志たちが街に活気を取り戻そうと招いた。
▼サッカーの鹿島アントラーズや臨海工業地帯で有名な同じ茨城県の鹿嶋市には、全国に約600社
ある鹿島神社の総本社「鹿島神宮」が鎮座している。ご祭神は雷神や剣神、武神とされる「タケミカ
ヅチ」。氏は、古来より地震を起こすといわれている巨大ナマズを抑える?要石?の番人でもある。
だが2年前の3月、このナマズが暴れ、氏は鎮めるために大きな力を消費し、弱ってしまっているら
しい。
▼そしてまたタケミカヅチが、史上初の?力士?であったことはあまり知られていないかもしれない。
『古事記』で、荒れる地上国の統治を天界のアマテラスの子孫に移譲する「国譲り」の際に、アマテ
ラスの使者であるタケミカヅチが、それまで地上を統治していたオオクニヌシの息子、タケミナカタ
と力くらべをしたのが最初の取り組みと伝えられている。ちなみにタケミカヅチの圧勝で、タケミナ
カタは恐れをなして逃げたという。
▼1824年入幕の横綱、稲妻雷五郎にはじまり、近年では水戸泉、武双山、雅山、稀勢の里、高安
と、心なしか茨城県出身の力士には名力士が多い気もする。
▼タケミカヅチもきっと後輩たちの巡業を喜び、要石の上で心待ちにしていることだろう。そして彼
もまた活力を取り戻し、再びナマズを見張っていただくことを祈るばかりである。(茨城・KS)