コラム

2013/05/31

9年目を迎えた交流戦(茨城・HS)

9年目を迎えた交流戦


▼プロ野球のセ・パ交流戦が開幕、熱戦が展開されている。今年で9年目を迎える交流戦は、各チー

ム24試合(各カード4試合)、合計144試合が行われる。同一リーグの試合が原則だから、他リー

グとの試合は新鮮だ。あまり聞かない選手の名前が紙面で踊れば自然と興味が湧いてくる。


▼始まった当初は、定着できるのかを懸念していた。巨人や阪神戦というドル箱を抱えるセ・リーグ

の他4チームは試合数が減るわけで、それはそのまま収益の減少にもつながる。案の定、スタート時

はホーム・アンド・アウェー各3試合ずつの6回総当りだったが、今では2試合ずつにまで減ってい

る。


▼さらに、来季以降は18試合に減らそうという案が出ている。現行の2連戦方式から、主催試合を1

年おきにする3連戦にしようという案だ。これはもちろん、交流戦の観客動員数が公式戦よりも少な

かったセ側からの提案。逆にパ・リーグ側は交流戦の方が上回っているため、手放すつもりはないだ

ろう。


▼過去8年間のデータを見ると、優勝回数はパが7回、セが1回。2010年にいたっては、上位6

位までをパが独占している。これではパに勝てないセが「みっともないところを見せたくないから減

らそうとしているのでは」と勘ぐられても仕方がないだろう。


▼プロ野球の歴史は約80年。交流戦が始まってからまだ10年も経っていない。止めてしまったら取り

戻すにはとんでもない労力がいる。それは活力が低下した今の日本と同じではないだろうか。なくな

ってから寂しくなったと後悔しても、もう手遅れ。第一であるはずのファンのためにも、熟慮してほ

しいものだ。(茨城・HS)


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