2013/05/03
小学生から教えられたこと(新潟・KK)
小学生から教えられたこと
▼信濃川河口部に位置し、国の重要文化財に指定されている新潟市のシンボル『萬代橋』を対象に、
地元の小学4年生が1年間かけて研究した総合学習の成果を新聞形式にまとめ、発表したことが話題
を集めた。『萬代橋探検隊』として児童が自ら考えて行動し、橋の歴史を調べたり、地域住民ととも
に清掃作業に取組んだことなどを振り返った内容だ。いずれも読み応えのある記事に仕立てあげられ
ていた。
▼各自が新聞題字を自由に付けていた点にも感心した。最も多いのが「萬代橋新聞」だった。ほかに
「萬代橋かわら版」や「萬代橋歴史新聞」「萬代橋スクープ新聞」など一風変わった新聞名もあり、
見ているだけで楽しい。
▼さらに驚いたのは、各記事に見出しが付けられ、写真やイラストを効果的に活用している新聞もあ
り、それぞれに読みやすくする工夫が施されていた。当然ながら記事は児童「記者」が自ら取材し、
自信を持って紹介できる内容が掲載されている。
▼あらためて言うまでもないことだが、あらゆる新聞では読者の理解につながるように記事に見出し
や解説を付け、写真や表、イラストを組み合わせる工夫を行っている。今回、小学生が書いた見出し
に惹かれて読んだ記事で初めて知ったこともあり、大いに勉強になった。
▼弊紙を含め新聞制作に携わる者に共通するのは「どうすれば読んでもらえる紙面を提供できるの
か」ということだろう。それはどんな新聞でも根本的には変わらない。「興味を持って読んでもらえ
る新聞とは何か」という基本に立ち返って日々業務に励むことの必要性を、小学生から教わった。
(新潟・KK)