コラム

2013/05/09

もっと肩の力を抜いて(東京・JI)

もっと肩の力を抜いて


▼この小欄のための原稿を書こうとテーマを探すものの、何を書けば良いのかわからない。そういっ

た経験は何度も繰り返してきた。これまで多くのコラムを書いてきたが、慣れることがない。いつも

テーマ選定で頭を抱えている。


▼『思考の整理学』(外山滋比古著、筑摩書房)を読むと、論文を書こうとする場合のテーマについ

て「一つでは多すぎる。少なくとも二つ三つ持ってスタートすべき」などと書いてある。テーマが一

つだと、あとがないために力が入り過ぎてしまうらしい。代わりがあれば気が楽になり、どれを選ぶ

べきか、テーマが自ら近づいてくるとのこと。何かにこだわり過ぎてはいけないのだろう。


▼「何か企画を出せ」―そう言われて困り果てた経験を持つ人も多いのではないだろうか。ともかく

考えてはみるものの、他社が先行している、ウチの会社では無理だろう、うまくいくかわからない、

などの不安が顔をのぞかせる。それでも懸命に考えて、何とか企画書をまとめ上げて提出するが、興

味を持ってもらえずに却下される。何が悪いのか、まったくわからない場合もある。


▼先日テレビを見ていると、作詞家・プロデューサーの秋元康氏が企画について話していた。「うん

うんと考えて出てきた企画は、あざといものが多い。企画は思いつきで良い」なるほど、思いつきを

実践しているからこそ、秋元氏は数え切れないほどの企画を打ち出すことができるのだろう。


▼もっと肩の力を抜いて、もっと楽に。それが、コラムでも企画でも、どんな仕事でも、新しいアイ

デアをたくさん生み、円滑に進めることにつながるのかもしれない。(東京・JI)


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