コラム

2013/05/24

耐震改修にはデザイン性も(新潟・SS)

耐震改修にはデザイン性も


▼筆者の子供が通う小学校が今年度校舎の耐震改修を実施するという。耐震改修で連想するのがK形

の鉄骨ブレースだ。この無骨なブレースを見ると、本来隠さなくてはいけないものが見えているよう

な気がする。また多少スマートではあるが、軽量(アルミ)のブレースも、星飛雄馬の大リーグ養成

ギブスを連想してしまう。


▼窓枠を斜めに遮るブレースや、建物の色とマッチしていない補強材を目にするたび、「この建物を

設計した人はこの耐震改修を見たらどう思うのだろう?」と疑問に思う。新しい公共施設を建設する

際、当然周囲の景観にマッチしたデザインを検討するのに、耐震改修では、デザインが二の次になっ

ている場合が非常に多い。


▼阪神・淡路大震災の被害から必要性が指摘され、1995年より「耐震改修促進法」が施行された。

そして06年には、15年までに建築物の耐震化率を少なくとも9割にすることを目標とする「建築物の

耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)」が改正施行。近年の各市町村予算などを見ても期

限の近い学校施設の耐震化を急ぐのが分かる。


▼耐震改修は予算があって出来ること。人命に直結する学校等の耐震化は何よりも最優先されるべき

であり、限られた予算の中では、デザインよりはスピードとコストが優先されるのは仕方が無い。


▼しかし、耐震化率の目標達成後でもいいので、耐震改修や長寿命化を検討する際は、建物のイメー

ジを壊さない工法を選択したり、現在の景観にマッチするようにリニューアルを検討するなどデザイ

ンの優先度を上げてほしいと思うがいかがだろうか。(新潟・SS)


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