コラム

2013/05/28

未然防止の詳細な点検必要(山梨・TH)

未然防止の詳細な点検必要


▼昨年4月に京都府亀岡市で登校児童等の列に、自動車が突っ込む事故が起きた。山梨県内の自治体

でも素早く対応し、小学校や教育委員会が地域の警察署と合同で点検を実施。学校周辺ごとに危険箇

所を抽出した。


▼各自治体の担当者は「工事が必要な箇所の優先順位を設けず、景観標識や歩行者ラインなど、用地

購入が不要で安く早急に出来るところから進める」ことになった。工事内容は「注意喚起の路面塗

装」「グリーン塗装」「減速標示」「転落防止柵設置」が大半を占めた。今回の点検で児童・保護

者・学校関係者のいずれもが、通学路の危険箇所を認識できたのは収穫である。


▼昨年山梨県の中央自動車道笹子トンネルで天井のコンクリート板崩落事故が発生し、約130mに

渡り落下した。


▼事故原因はトンネルの全体設計、天井板の設計と施工法、設備の老朽化、ずさんな点検方法など、

いくつか挙げられた。今回の事故と直接の因果関係があるとは限らないが、漏水増加をきっかけに、

より詳細な点検が行われていれば、事故は未然に防げた可能性があったのではなかろうか。


▼交通安全点検もそうだが、何か重大な事件や事故が発生しないと、動けない、動かないのが我が国

の現状だ。対策を講じておけば防げる事件や事故も多いはず。事前に防げるような調査や点検なら、

国民の理解を得られよう。財政事情が厳しいことから、全ての危険箇所を一気に施工することは困難

であろう。工事を今実施しても数10年後には、再び維持や補修を行うことになるかも知れない。その

際に粘り強く国や地方自治体に要望活動をすることが重要になる。(山梨・TH)


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