コラム

2013/07/31

若者に託せる業界の将来(群馬・AN

若者に託せる業界の将来


▼群馬県建設技術センターが、県立勢多農林高等学校で2級土木施工管理技士の学科試験合格を目指

す緑地土木科の生徒20人に講義を行った。群馬県内の建設業界では公共投資減や少子高齢化などから、

若年層の建設技術者不足が喫緊の課題となっている。また、建設系学科を有する高等学校では、専門

技術力向上に向けた教育の一環として土木施工管理技士などの資格取得を奨励している。


▼同センターでは、若者の業界入りと建設系高校の資格取得支援の両面をマッチングさせるための講

義を初めて行ったが、来年度以降も講義を通じて若年層の人材育成・支援を継続していくという。


▼取材当日は気温37℃を超える猛暑だったが、正門をくぐり、通り過ぎる生徒が皆「こんにちは」

と」明るく声を掛けてくれ、非常に気持ちが良かった。あいさつは礼儀の基本である。「最近の若者

は…」と良く言われるが、真逆の印象だった。


▼群馬県建設業協会が協会員へ行ったアンケートで、6割が若年者(24歳以下)の採用をしばらくの

間控えているといった厳しい結果が浮き彫りになった。個別意見では「自分の子どもを継がせようと

思わない」「長期的に安定した公共事業の確保が若手技術者の採用と育成を可能にする」などがあっ

た。


▼猛暑の中、教室の天井に設置された扇風機4台で講義を聞く生徒。タオルで汗をぬぐいながらも必

死に耳を傾ける若者の姿には青春とは別物の一途さと心強さを感じた。業界は今、若手技術者が不足

しているが、経済環境から彼らの力量が大いに期待できる。講義を一心に受ける若い世代の姿がそう

感じさせてくれた。(群馬・AN)


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