コラム

2013/07/24

焦点は税率より質(埼玉・YW

焦点は税率より質


▼参議院選挙が終わった。デフレ脱却、TPPなど経済対策などの展望など多くの争点があった。最

も民衆の関心が高いのは税の配分ではないか。


▼2014年4月および15年10月の消費税増税については、今年4月から6月の景気動向などを見て

年内にも判断がなされる。増税に向けて単に反対、やむなく賛成する人など立場によって考え方に差

異はあるだろうが、気になる動きがある。大手各紙はここ2年間「消費税を政争の具にするな、未来

のため増税は必要」との論調を張って財務省を喜ばせた。


▼昨年の新聞協会の大会では、恐らくそれ以前からであろうが、「新聞への増税は対象外にしてほし

い」として新聞や雑誌は軽減税率の適用除外を訴えている。理由は、これ以上若者の活字離れをさせ

ない、増税で新聞は廃れる、欧米も軽減税率になっているなどだ。他人の売り物には増税を適用させ、

自らの売り物には適用除外を声高に叫ぶ。これで国民は納得するのであろうか。


▼若者の活字離れは新聞が高いだの、税金が加わるとさらに読まなくなるのでは―という問題ではあ

るまい。ペーパーよりインターネットでの検索、読書よりパソコンを開く時間が増えて、パソコンを

眺めることが生活に欠かせなくなったことが要因になっているのではないか。言うなれば生活スタイ

ルの変化が活字離れを導いているのではなかろうか。


▼新聞協会は税金が高くなると新聞が売れないと主張する前に、報道のあり方、新聞が若者のニーズ

を満たしているか、若者の心を刺激する記事があるのだろうかなどを自覚して、良質な紙面への転換

を考えるべきでは。(埼玉・YW)


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