コラム

2013/07/25

「人間大事」の労働を(茨城・KS)

「人間大事」の労働を


▼?対立しつつ調和すること?。使用者と労働者の関係について、松下幸之助氏が言ったフレーズで

ある。経営が窮地に陥っても解雇に走らず、「人間大事」の精神を忘れなかった氏らしい言葉だ。


▼過日、安全大会の取材で「労働災害防止計画」なるものを知った。?働くことで生命が損なわれた

り、健康を害することがあってはならない?と厚生労働省が5年ごとに策定するもので、それによる

と、仕事によるストレスからの自殺もれっきとした労災であるようだ。


▼「ブラック企業」という言葉を最近よく目にする。基準は諸説あるが、労働法を守らず、従業員を

捨て駒のように扱い、生気を消失させるほどの過酷な労働を強いる企業のことだ。外面は善人を装う

が、腹の中は真っ黒に染まった恐怖の会社である


▼参院選で自民党が大勝した。衆参議院のねじれを解消したが、ブラック企業とされた外食産業大手

のワタミの創設者である渡邉美樹氏が自民党公認で出馬、当選した。賃金不払いの残業が常習化し、

渡邉氏の著書を題材に多量のレポート提出を迫ったり、僅かな休日はボランティアという名の無償労

働に駆り出されるのだという。そして看過し難いのが従業員の過労による自殺。それも大学卒業後に

就職して間もない、希望に満ちた女性というからやり切れない。


▼ここには調和はおろか、対立もない。あるのは経営者による一方的な支配である。黒い経営者が立

法に携わればどんなことになるだろうか。一党独裁による支配の危惧は、片務的な立法にならないか

ということだ。そんな状態は御免である。明るく元気に人間らしく働きたい。(茨城・KS)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら