コラム

2013/08/01

暑い夏に監督者の熱意(東京・HM)

暑い夏に監督者の熱意


▼今年はとりわけ暑い。7月は、連日ニュースに熱中症の2文字が並んだ。建設現場における熱中症

対策はかなりの重さをもって監督者の肩にのしかかっている。


▼厚生労働省は、建設現場における熱中症対策として、気温に加え、湿度や輻射熱を含めた暑さ指数

値(WBGT)を活用するよう呼びかけている。日本体育協会は「ほぼ安全、注意、警戒、厳重警

戒」の指針を設けているが、建設現場でもWBGT値が大幅に基準を超える際は、作業を行わない事

も含めて対策を講じることとしている。


▼確かに、作業を休んでしまえば熱中症リスクはなくなる。しかし、工期厳守の建設現場において作

業を止めることは現実的に難しい。特に多くの職種が入る建築工事では、工程が半日単位で組まれる

ことは珍しくなく「今日は暑いから作業をやめよう」とは行かない。雨と同じと考えることもできる

が、これだけ連日続くとそうも言い切れない。


▼とはいっても現場で労働災害が発生すれば、施工者の責任は重い。何かしらの対策を打ち、現場で

の「安全第一」を確保することは絶対に必要だろう。


▼作業中止は難しくても、暑い時間帯にどういう作業を行うべきかなどの創意工夫は必須である。ス

ポットクーラーの設置、休憩所への氷水や梅干の準備などは基本である。結局は、細かな対策の積み

重ねをきちんとできるかどうかだ。企業や現場責任者の意識次第とも言われるだけに、責任は重い。

「休憩させてほしい」という声に対応できる心配りも求められる。暑い季節の建設現場。「ゼロ災で

いこう」を実現させる監督者の熱意が問われている。(東京・HM)


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