コラム

2013/08/03

本質が見える業界の取材を(甲府・TT)

本質が見える業界の取材を


▼災害時における道路巡回パトロール訓練の取材に行ったときのこと。ある地区の建設業協会の会長

は、建設業のイメージが悪すぎる。様々なボランティア活動などを継続的に展開しているが、住民に

認知されていないようだと吐露した。


▼公共事業は建設業界のためにあるとの根強い誤った認識や、災害復旧支援を行っても、メディアで

取り上げられる事も少ないなどがイメージアップにつながらない。また、アピールの方策も今ひとつ

工夫が足らないなどが要因だという。実際に地域ボランティアの活動を報道機関に投げかけても取材

に来てもらえず、「また、無視された」と思うことも度々だと話していた。


▼ある企業が実施した調査によると「東日本大震災の被災地支援で、大きく貢献したと思う団体・組

織などはどこか」という質問に対して、第一位は80%以上の人が自衛隊を挙げている。建設業界は真

っ先に支援活動をしているが、世間にはあまり伝わっていないことが浮き彫りとなった。


▼先日、施工者が主催する工事見学会が行われた。ここでの近隣住民は、工事にも好意的な印象で、

筆者にも現場監督並の説明までしてくれた。住民の一人は「毎日、工事現場を見ていると高度な技術

に感動する。近隣にも配慮があり、作業者には感謝している。マスコミの先入観ある報道が建設会社

の印象を悪くしている」と話していた。


▼やはり、見えるものは人に強い印象を残すことを実感した。報道の一端を担うものとして、見えな

いところで安全・安心のために貢献している地場建設業の姿を、本質が見えるよう取材していかなけ

ればと改めて気づいた。(甲府・TT)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら