コラム

2013/08/29

攻めの戦略で王座復活(東京・HM)

攻めの戦略で王座復活


▼56年ぶりにボクシング日本ヘビー級王者に藤本京太郎選手が誕生した。日本はこれまで、ミドル級

までしかチャンピオンがおらず、それより重い階級はランキングも存在していなかった。重量級を盛

り上げることでボクシング人気の復活を図ろうという試み。滑り出しは上々だ。


▼日本ボクシング界には日本人にヘビー級は無理という考えがあり、ある意味門を閉ざしているよう

な状態が続いた。過去には西島洋介山選手のように重量級で注目を集める選手も出たが、重量級の選

手が少なくスパーリングも満足にできない。こうした状況は、体の大きな選手がほかの格闘技に流出

していく負の連鎖を生み出した。


▼数年前、ボクシングは世界戦ですらテレビ放送されないこともあるほど人気が低迷した。日本ボク

シング協会の会長を務める大橋秀行氏は、ボクシング界を改革するとして、女子ボクシングの解禁や

重量級の復活などを積極的にコミッションに働きかけ、着実に実現を図った。


▼今回のヘビー級復活も、タイトルをつくることで選手を獲得・育成していこうという「攻め」の姿

勢の現れ。人材確保が大きな課題となっている建設業界にとってもヒントになる部分がありそうだ。


▼現在、ボクシング中継は高視聴率を獲得しており、ボクシング放送に消極的だったフジテレビもオ

リンピック金メダリストの村田諒太選手のプロテストを中継するという力の入れよう。56年前、初代

ヘビー級王者の片岡昇氏は防衛戦すら行うことができず引退したが、京太郎選手は11月に初防衛戦を

行うことがすでに決まっている。積極的な取り組みが芽を出しつつある。(東京・HM)


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