コラム

2013/09/04

労使関係と品質(群馬・MY)

労使関係と品質について


▼古い新聞のスクラップを見て、ある記事に目を留めた。2008〜10年にかけて、関東圏でひき肉

の売り上げが、それ以前と比べ1〜2割増と好調だったと記事は伝えている。なぜか。その発端だっ

た事件の公判が中国で始まった。


▼07年12月末ころ、千葉と兵庫で10人に被害をもたらした中国製冷凍餃子中毒事件。当初、中国政府

は中国内での毒物混入を否定し外交問題にまで発展。その陰で、家庭の食卓を担う主婦たちに手作り

志向が強まり、他の肉類より割安なひき肉の売れ行きが高まったと書かれている。


▼製造工場で殺鼠剤を混入したとされる被告の中国人男性は「賃金に不服であった」と話す。長く続

いた円高を受けて、事件後も食品業界を含む製造業では中国や東南アジアなどへ多くの工場が進出し

た。現地では急激な経済成長に伴い、労働条件の改善を訴えて時折ストライキやデモが発生している。海外工場で従業員と良好な関係を構築していることも、製品の安全に重要な視点かもしれない。


▼7月に行われた関東地方整備局優良工事表彰。群馬県の表彰でも常連である若い技術者の名を局長

表彰で見つけ、さすがと感心した。彼が勤務する建設会社の経営者は以前、新入社員には気を配り手

塩にかけて計画的に教育していると話していた。


▼一方、首長選が近づくある自治体議会。議員の質疑はとかく落札金額ばかりに目を向け、成果品の

品質を素通りする。優良建設会社と優良技術者の名前はまだ業界域を出て広まらない。「あそこの護

岸は地元の○○建設の○○さんが施工したから安心だ」と地域の人々から聞こえてくる未来を待って

いる。(群馬・MY)


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