コラム

2013/09/19

バランシング・ポイント(群馬・NA

バランシング・ポイント


▼明日から26日までは動物愛護週間。動物愛護法に規定されているもので、国や地方自治体と関係団

体が協力して、シンポジウムや犬猫の里親探し会などが今年も各地で開催される。


▼少子高齢が加速する中、福祉分野と並んでペット市場は拡大している。大型店舗が増え扱う動物も

商品も多種多様。猫マッサージに老犬ホーム、鳥類・は虫類も宿泊可という施設も登場。ペットは名

実ともに家族の一員、市民権を得たかにみえる。


▼反面、内閣府が2010年に行った調査では4人に1人がペット飼育に関して「嫌い」と答えてい

る。先日、ある講演会で大学講師も務めるトレーナーが「動物嫌いを好きにするのは難しい。動物好

きの中でも愛護について違った思想がある。皆が自分と同じと考えず、また違っても排除せず理解し

て愛護活動を実践して欲しい」と訴えていた。


▼重要なのはバランシング・ポイント。異なる意見にも耳を傾け、納得し均衡がとれる地点を見つけ

考えを微調整する。飼養知識やマナー・法令遵守はもちろんだが、動物愛護という大枠の中で、互い

を知り尊重し認め合うことが広義の「動物共生社会」の土台となる。


▼動物愛護の観点からだけでなく、バランシング・ポイントを探ることは他者と関わりあって生きね

ばならぬ社会で不可欠でに思える。多様性を認めることは、大きく捉えればいじめや宗教・民族間の

争いをも解決する糸口になる。不要ないさかいを回避し自身のストレスを減らすことにも。自らを取

り巻く事象に対して先入観にとらわれず広く知り精査して己のバランシング・ポイントがどこかを常

に意識していきたいものだ。(群馬・NA)


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